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RSウィルス感染症に注意しましょう。

RSウィルス(rspiratory syncytial virus)感染症が、例年より早く流行しています。

RSウィルス感染症とは、RSウィルスの感染による呼吸器の感染症です。生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の乳幼児が感染されるとされています。以前は冬に流行していましたが、近年では夏季に流行が始まるようになっていました。昨年は、新型コロナウィルス感染の影響でほとんど流行がありませんでしたが、今年は、例年よりも早く流行が始まっています。

RSウィルスは、飛沫感染や接触感染で感染します。昨年は、新型コロナウィルス感染の流行により、マスクの使用、手洗い、うがい、外出自粛、幼稚園の休園などの感染対策で、感染が抑えられていましたが、今年は、免疫が弱く、マスクをできない乳幼児で流行していると考えらます。

症状としては、発熱、鼻水などが数日続きます。約7割の乳幼児は、通常の風邪と同程度で軽症ですみますが、約3割は、咳がひどくなり、喘鳴を伴って呼吸障害を認めることがあり、細気管支炎や肺炎などに進展し、重症化することがあります。重篤な合併症として、無呼吸発作や急性心筋炎、けいれんなどを伴う急性脳症、突然死などがあり、人工呼吸器などを使用する治療をしても死亡する例もみられます。

また、改善後も、一部の例では、喘息に移行することがあります。

アメリカの統計では、乳幼児では、インフルエンザの約2倍の死亡率で、特に1歳未満はリスクが高いようです。日本の報告で、染色体異常のある児や、気管支喘息、神経筋疾患などのある児、医療的ケアのある児などが、重篤化しやすいようです。

現在、RSウィルスのワクチンはありません。特効薬もなく、症状を和らげる治療が中心となります。心疾患、21トリソミー、早産児、呼吸疾患、免疫不全などの基礎疾患のある児では、重症化しやすいため、シナジスの注射による予防の適応がありますが、ほとんどの子どもは、保険適応がありません。

インフルエンザ感染症より重症化のリスクが高いRSウィルスですが、インフルエンザのように、出席停止期間に関する規則はありません。また、インフルエンザのように迅速検査キットはありますが、外来での検査は1歳までの乳児のみ保険適応となっています。RSウィルスにかかっていても軽度の風邪症状のため、登園している児から感染する可能性があります。鼻水、発熱が持続する乳児や基礎疾患のある児は、呼吸の悪化や全身状態の急変に注意しましょう。

また、高齢者もRSウィルス感染で重篤化することがあるので、家庭内感染に注意しましょう。

RSウィルスの流行状況