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小児の嘔吐・下痢の注意点

冬になり、今年も、急性ウィルス性急性胃腸炎が流行しています。

ただし、嘔吐、下痢があっても、胃腸炎とは限りません。

肺炎、膀胱炎などの尿路感染症、髄膜炎、中耳炎、腸閉塞、腸重積、虫垂炎などでも認めます。急を要する病気のこともあるので、嘔吐、下痢があったら病院を受診しましょう。

胃腸炎で心配になるのが、脱水症ですが、脱水の重症度により、経口補水液の投与や、点滴の治療に分かれます。重症を示唆する徴候として、表の1~7番があります。また胃腸炎以外の病気を示唆する所見として表の12~18番がみられることがあります(小児急性胃腸炎の危険信号 表参照)。

また、胸の痛みや、動悸、息苦しさなどの症状がある時は、急性心筋炎や急性心膜炎も疑われます(急性心筋炎、急性心膜炎について 参照)。

重症を示唆する所見や、他の病気を示唆する所見がある場合、急性心筋炎や心膜炎の症状がある場合は、直ちに救急外来を受診しましょう(小児急性胃腸炎の危険信号 表参照)

急な胃腸炎の症状に対応するため、経口補水液のOS-1などは、常備しておくことをお勧めします(ウィルス性胃腸炎への対応 参照)。

初期治療として、嘔吐や下痢で失われた水分と同じ量を4時間に以内に飲ませましょう。与え方は、ティースプーン1杯程度を5分ごとに飲ませると良いでしょう。経口補水液を嫌がる場合は、塩分を含んだ重湯、おかゆ、野菜スープ、チキンスープなどで代替してもかまいません。母乳を飲んでいるときは中断したり、ミルクを希釈する必要はありません。

脂肪分の多いものや、糖分の多い食事、飲み物は避けましょう。

また、胃腸炎に関連するけいれんを認めるときがあるので、お子さんから目を離さないようにしましょう。

 

参考文献 小児急性胃腸炎診療ガイドライン2017