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急性心筋炎、急性心膜炎について

新型コロナウィルス感染や、コロナウィルスワクチンの副作用で、急性心筋炎、急性心膜炎という病名が、聞かれるようになりました。

急性心筋炎は、心臓の筋肉に炎症が起こり、心臓の動き悪くなります。急性心膜炎は心臓の周りの膜に炎症が起こり胸の痛みを認めます。

急性心筋炎、急性心膜炎の症状はどのようなものでしょうか。

『急性および慢性心筋炎の診断・治療に関するガイドライン(2009年改訂版)』によれば、多くの急性心筋炎患者ではかぜ症状(悪寒、発熱、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感)や食思不振、悪心、嘔吐、下痢などの消化器症状が先行します。その後、数時間から数日の経過で心症状が出現します。心症状には、心不全徴候、心膜刺激、不整脈などによる症状があります。

具体的には、胸の痛み、動悸、息苦しさなどです。重症では強い倦怠感や冷や汗、意識障害など非特異的な症状を認めます。

心筋炎は気づかないうちに発症し、自然に治ってしまう軽症例から、ショック状態となり、命に係わる劇症型まで様々な重症度があります。

原因として、多くの心筋炎は風邪のウィルスのエンテロウィルス、RSウィルス、アデノウィルス、インフルエンザウィルスなどの感染後におこります。またリンゴ病(伝染性紅斑)の原因のパルボウィルスなどの他のウィルス感染や、薬物やアレルギー、代謝異常、免疫異常などで発症する場合もあり、現在流行中の新型コロナウィルス感染やコロナワクチン後でも認められています。

コロナワクチン後の心筋炎、心膜炎の頻度は極めて低く、重症度も大半は軽いことが多いようです。新型コロナウィルス感染後のほうが、心筋炎や心膜炎は頻度が多く、重症度も高いため、コロナワクチンの感染予防効果など接種によるメリットが、副反応などのデメリットよりも大きいと考えられています。

急性心筋炎や急性心膜炎は入院加療が必要です。風邪症状や胃腸炎症状以外に、動悸、息切れ、胸痛などの症状を認めた場合は、救急外来を受診しましょう。

 

参照

日本小児科学会のHP 「新型コロナワクチン ~子どもならびに子どもに接する成人の接種に対する考え方~」に関するQ&Aの【副反応等について】

新型コロナワクチンに関するQ&A|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY (jpeds.or.jp)

 

厚生労働省のHP 「新型コロナワクチン接種後の心筋炎、心膜炎について」000844011.pdf (mhlw.go.jp)

 

日本循環器学会のHP 「新型コロナウィルスワクチン接種後の急性心筋炎と急性心膜炎に関する日本循環器学会の声明」2007年11月9日 (j-circ.or.jp)