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小児の新型コロナウィルス感染状況と乳幼児用新型コロナワクチンについて

感染状況

新型コロナウィルス感染は、流行初期は、小児感染者が全体に占める割合は低い状況でしたが、2022年1月以降は、10歳未満の小児が占める割合は、10~20%、10歳代を含めると30%程度となっている。

全年齢の感染者数は、新たな流行の波が来るたびに、増加傾向が続いている。

オミクロン株がメインとなり、ワクチンの普及により、感染者が増加している割には、全年齢の重症例は少なくなっている印象を受ける。

しかし小児の重症例は、昨年の1月頃から増加している。特に10歳未満で増えている。

また、小児の死亡例の累積数は、12月2日現在、10歳未満で28例、10歳から19歳で13例が報告されている。10歳~19歳は昨年9月から、10歳未満は今年の3月から報告されており、特に10歳未満では7月過ぎより増加している。

オミクロン株流行期における小児患者は、発熱の頻度が高く、熱性けいれん、咽頭痛、嘔吐の報告が多いことが確認されている。また、2歳未満と基礎疾患のある小児患者において、重症化のリスクが増大することが報告されている。

今までとは違い、こどもは感染しても軽くすむ、とは限らないようである。

 

乳幼児用コロナワクチン

6か月から5歳未満対象のファイザー社製ワクチンは、mRNAの含有量が、12歳以上が対象のワクチンの1/10で、5歳から12歳未満が対象のワクチンの3/10である。

大人と同様、筋肉注射での接種でが、2歳未満の接種部位は大腿前外側部になります。

 

米国では、2022 年 8 月 21 日までに生後 6 か月以上 5 歳未満の小児に対してファイザー社製ワクチ ン 890,378 接種が行われ、8,541 人が自発的な健康状況調査(v-safe)に登録されました。生後 6 か 月以上 2 歳で接種後の局所反応は 19.0%(1 回目)、18.3%(2 回目)、全身反応(発熱、下痢、発疹、 嘔吐、不機嫌・啼泣、食欲不振、傾眠傾向)が 55.8%(1 回目)、47.1%(2 回目)に認められ、発熱は 18.7%(1 回目)、13.8%(2 回目)に認められました。3 歳から 5 歳未満の小児では接種後の局所反応 は 28.4%(1 回目)、26.5%(2 回目)、全身反応(腹痛、筋肉痛、悪寒、倦怠感、発熱、頭痛、関節痛、 嘔気、下痢、発疹、嘔吐)が 32.2%(1 回目)、29.2%(2 回目)に認められ、発熱は 12.1%(1 回目)、 10.9%(2 回目)に認められました。

同時期に米国の予防接種安全性監視システム(vaccine adverse events reporting system: VAERS)に はファイザー社製ワクチンに関連した生後 6 か月以上 5 歳未満の小児について 496 件の報告があり ました。うち 486 件(98%)は非重篤でした。重篤として報告された 10 件中の 4 件がけいれんで、心筋 炎の報告は 0 件でした。

軽い副反応の頻度は高いが、重篤なものは多くはないようである。

 

日本小児科学会

生後 6 か月以上 5 歳未満の小児への新型コロナワクチン接種についても、これまでの 5~17 歳の小児におけるワクチンの有益性も考慮したうえで、メリット(発症予防)がデメリット(副反応等)を上回ると判断し、日本小児科学会は、生後 6 か月以上 5 歳未満のすべての小児に新型コロナワクチン接種を推奨しています。

感染による重症例や死亡例が増えている現状で、ワクチンによる重篤な副反応が少なく、死亡がないのであれば、乳幼児においてもワクチン接種を検討すべきと考えられます。特に2歳未満や基礎疾患のある児は、接種した方がよいかもしれません。

 

参照

生後6か月以上5歳未満の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY (jpeds.or.jp)

5~17歳の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY (jpeds.or.jp)

鎌倉市 乳幼児用新型コロナワクチンのお知らせhttps://www.city.kamakura.kanagawa.jp/skenkou/documents/nyuuyouzi-kamakurasiosirase.pdf