こどもの食品による窒息は珍しくありません。
こども側の要因と食品側の要因があります。
こども側の要因として、食べる力(かむ力、飲みこむ力)と食事の時の行動の2つがあります。月齢に合わせた離乳食の硬さを知り、丸呑みにならないようにしましょう。食事の時の行動として、走り回って食べていたり、ほおばって食べているなどが原因と考えられる事例もあります。食べることに集中させ、水分をとって咽を潤してから食べさせる、よく噛んで食べさせる、一口の量を多くしない、口の中に食品があるときはしゃべらせない、仰向けに寝た状態や歩きながら、遊びながら食品を食べない、食事中に乳幼児がびっくりするようなことをしない、また、年長のこどもが乳幼児に危険な食品をあたることがあるなど注意しましょう。食品側の要因として、丸くつるっとしているもの、粘着性が高く、唾液を吸収して飲み込みずらいもの、硬くてかみ切りにくいものなどがあります。食品の形状にも注意しましょう。
消費者庁によると毎年、50名近くのお子さんが、食べ物などによる窒息で命を落としています。
0~2歳までのこどもに多く発生していますが、年長児でも起こります。0~3歳では、主にピーナッツや豆類、あめ玉(グミ、キャンディーなど)、果物や野菜(リンゴ、ぶどう、ミニトマト、たくあんなど)、お菓子(団子、カップゼリーなど)など口に入るサイズのものは何でも事故の原因になります。4歳以降では、小さいおもちゃなど食品以外による窒息が多くなるようです。
気道に異物があるときの症状は、最も強い症状の時は、突然息ができなくなります。次に強い症状は、急に咳き込んだり、息が苦しそうになり、弱々しい咳しかできず、泣き声もか細い状態になります。それほど強い症状ではありませんが、急に咳き込んだ後、咳が続いたり、息をすると喉や胸からゼーゼー、ヒューヒューという音が聞こえるようになります。
口に物を入れている時に、急に咳き込んだり、苦しそうにしていたら、気道の異物を疑いましょう。
のどや気管に物がつまった時の対応として、乳幼児には背部叩打法や胸部突き上げ法、背部叩打法変法などを行い、年長児や大人には、胸部突き上げ法(ハイムリッヒ法)などを行います。
お子さんの気道異物による突然の窒息に対応できるよう図説や動画を確認しておきましょう。
参考資料
「食品による窒息 子どもをまもるためにできること」日本小児科学科の提言
「小児の気道異物事故予防ならびに対応」日本小児呼吸器学会 気道異物事故予防ワーキンググループ作成