急性胃腸炎のウイルスは感染力が強く、また環境にも強く乾いた場所では約10日生きています。石けんや消毒用アルコールにも強いため、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤:ハイターやブリーチなど)などで消毒しなければ死滅しません。便や嘔吐物には大量のウイルスが含まれていますので、汚物の処理をするときは、できればエプロン(袖付きのもの)、使い捨ての手袋、マスクをしてください。
≪準備しておくもの≫
・新聞紙、ペーパータオル、古い布
・0.1%次亜塩素酸ナトリウム消毒液(ハイターなどの塩素系漂白剤を薄めて作成します。)
・ビニール袋をかけたバケツ
・使い捨てマスク
・使い捨て手袋
・袖付きのエプロン(出来たら着用した方がいいです)
家庭用塩素系漂白剤(ハイター等)は次亜塩素酸ナトリウムが5~6%入っていますので、濃度に合わせて薄めて使用しましょう。
・0.1%の作り方(嘔吐物や便が直接ついた床などに使用します)
ペットボトルのキャップ2杯(約10ml)の原液に水を加えて約500mlとします。
・0.02%の作り方(水道、洗面台、トイレ、ドアノブなど環境清掃に使用します)
ペットボトルのキャップ1杯(約5ml)の原液に水を加えて約1000mlとします。
※次亜塩素酸ナトリウム使用上の注意事項
・時間とともに消毒効果がなくなるので、使用時にうすめてください。
・酸性のトイレ洗剤と混ぜるとガスが発生するため決して混ぜないで下さい。
・金属につくと錆びたりするので、10分後に水拭きして下さい。
・衣服等に使用すると、色落ちする場合があります。
・ペットボトル等で保管する場合は誤って飲むことが無いように、「消毒液」であることをはっきり
明記し、子どもの手のとどかないところに保管しましょう。
≪処理の方法≫
①便や嘔吐物を処理するときは、できるだけ使い捨ての手袋とマスクを着用しましょう。 | |
②便や嘔吐物の上に新聞紙やペーパータオルを広めかぶせる。 | |
③その上から次亜塩素酸ナトリウムを上からかけて、汚染場所を広げないようにペーパータオルでよく拭きとります。 | |
④処理した嘔吐物や下痢のおむつは、ふき取ったものごとビニール袋をかけたバケツにいれる。汚物の処理がすべて終わったら、手袋を外してビニール袋に入れる。 | |
⑤全部袋に入れてぎゅっとしばって封印する。 | |
⑥処理後は必ず手洗いをする。 |
*ウイルスは乾燥すると空気中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、便や嘔吐物を乾燥させないことが重要です。嘔吐物やおむつはできるだけ早く処理するようにします。
*汚れた衣類や寝具類は、汚物を十分に落とした後、0.02%に調整した塩素系漂白剤に30分程度つけ置くか、85℃以上の熱水に1分以上つけ置きします。その後、他の衣類等と分けて最後に洗濯します。布団などすぐに洗濯できない場合は、よく乾燥させ、スチームアイロンを使って高熱にあてると効果的です。
なお、塩素系漂白剤の種類によっては、消毒時間が異なる場合があります。製品の用法・用量を確認しましょう。
*室内の消毒は、次亜塩素酸ナトリウムを布やペーパータオルに含ませて、水道やドアノブ、トイレ、洗面台をふき取ります。10分ぐらいしたらふき取りをしないと金属部分がいたむので注意が必要です。
*換気を忘れないようにしてください。
ウイルスから身を守るためにも、外出後、食事前、トイレの後は、石けんを使用して、手洗い、うがいを心掛けてください。