令和5年4月1日から定期予防接種のスケジュールが変わります。
主な変更点としては、四種混合ワクチンの接種開始時期が2か月から開始できることになりました。また、子宮頸がんワクチンのシルガード9が、新たに定期で接種できることとなりました。なお、シルガード9は、年齢制限はありますが、3回接種と2回接種を選べるようになりました。
まず、四種混合ワクチンについてです。
四種混合ワクチンは、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオのワクチンです。このワクチンが、開始年齢が、3か月から2か月になりました。この目的は、百日咳に罹患した場合、最もリスクが高い生後6か月未満の乳児の罹患と重症化を防ぐためです。
2018年の感染症発生動向調査において、7歳を中心とした学童期が占める割合が高かったが、入院症例の多くを乳児が占めており、死亡例は乳児と高齢者にみられたと報告されています。
第41回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において、百日咳による乳児の重症化予防の観点から、接種対象者を拡大する方針が了承され、定期予防接種の四種混合ワクチンの対象年齢を生後3か月以上から、2か月以上に拡大されました。
この変更の対象になるのは、令和5年2月1日以降の出生の児となります。
これに伴い、生後2か月からのHibワクチン、小児肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチン、ロタウィルスワクチンと共に、計5種類のワクチンの同時接種が可能となりました。
参考資料
第41回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料 2022(令和4)年11月18日
「沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン(DTaP)を含む混合ワクチン等の接種スケジュールの前倒しについて」https://oyama-pediatrics.jp/admin/wp-content/uploads/2023/01/001014099.pdf
次に、子宮頸がんワクチンについてです。
子宮頸がんワクチンは、ヒトパピローマウィルス(HPV)感染症を防ぐワクチンです。小学校6年生から高校1年相当の女子を対象に、定期接種が行われています。今までは、2価ワクチンのサーバリックスと、4価ワクチンのガータシルの2つのワクチンが、定期接種として使用できました。令和5年度から9価ワクチンのシルガード9が定期接種できるようになりました。
サーバリックスおよびガータシルは、子宮頸がんを起こしやすい種類であるHPV6型と18型を防ぐことができます。そのことにより、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。
シルガード9は、HPV6型と18型、31型、33型、45型、52型、58型を防ぐことができ、子宮頸がんの80~90%を防ぎます。
また、今までは3回接種のスケジュールでしたが、今回2回接種のスケジュールを選択することができるようになります。サーバリックスおよびガータシルからの交互接種をする場合は、計3回の接種が必要となります。
積極的勧奨を再開するまでの間に、接種を逃した女子(平成9年4月2日から平成19年4月1日までに生まれた女性のうち、3回の接種を完了していない方)を対象にキャッチアップ接種の機会が提供されていますが、シルガード9も接種できることとなりました。
くわしくは、厚生労働省のリーフレットを参照ください。
9価HPVワクチン接種のお知らせ
全体の予防接種のスケジュールはVPDの2023年4月版 予防接種スケジュール
0歳までの予防接種 スケジュールスケジュールを参照ください。