赤ちゃんの半数以上に向き癖がみられ、右側への向き癖が多いです。
原因)
斜頸や脳性マヒなどの病気が原因のこともありますが、ほとんどの場合は環境要因と考えられます。胎内環境や寝ている場所などが影響します。
日本人の母親は右利きが多く、左腕で保持することが多く、母親の左側に寝かせることで、赤ちゃんは右を向きやすくなります。また、明るい方向を向くことが多いので、赤ちゃんが寝ている位置をチェックしましょう。
自然歴)
向き癖の多くは生後3か月をすぎると自然に改善します。しかし、頭の形の変形が強いと改善しにくくなります。
合併症)
耳の浸潤に伴う湿疹や折れ耳などがあります。
頭位性斜頭・短頭などの頭の形の変形がみられます。斜頭は進行すると、顔の形も左右差がみられることがあります。極端な場合には、発達障害の原因になる可能性もあります。
発育性股関節形成不全症(先天性股関節脱臼)を誘発する可能性があり、向きやすい側の反対側の足が立ち上がらないように注意しましょう。対応が遅れると足を引きずって歩くようになることもあります。
対応)
普段向かない側に窓や蛍光灯の光などで明るくなるように、赤ちゃんの位置を変更しましょう。また、いつも向いている側に壁が来るようにしましょう。
母親が赤ちゃんの向きやすい側に寝ている場合は、母親の寝る位置を、向きにくい側にしましょう。メリーなど気をひくものを、向かせたい方に設置してもよいでしょう。
向きやすい側に丸めたタオルを入れて、顔や体が反対側を向くようにしましょう。
向き癖防止用の枕を試してもよいでしょう。
起きている時間に、短い時間からうつぶせにするタミータイムをとりいれましょう。
いずれの対応でも、赤ちゃんが窒息しないよう環境に配慮しましょう。またうつぶせのまま寝てしまうと突然死(SIDS)のリスクを高めるので、寝てしまったら仰向けに戻しましょう。