「夏バテ」の病名はありませんが、高温多湿の日本では、熱くなる季節に温度変化に体がついていかず、自律神経のバランスを崩すことにより、さまざまな症状がでます。
症状)
疲れやすい、だるい、熱っぽい、イライラ、立ちくらみ、めまい、食欲がなくなるなど、あてはまるものがあったら、夏バテかもしれません。
原因)
暑さで身体の調子を整える神経の働きが乱れる。
お腹の調子が悪くなる。
ごはんが食べられなくなる。
必要な栄養が摂れなくなる。
疲れがたまり、身体の調子が悪くなる。
熱い場所や、クーラーで冷えた場所など、気温の変化があると、体温のコントロールができなくなる。
これらの原因により、体調を壊します。特に小さい子どもは、大人に比べ体温調節がうまくいかず、体温が上昇しやすく、体力を消耗します。
対応)
1)栄養
バランスのよい食事を規則正しく、1日3回とりましょう。
タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよくとることが大切です。からだを作る上で大事な栄養素のタンパク質や、疲労回復に有効とされるクエン酸、ビタミンB1、ビタミンCを含んだ食べ物を多くとることで、夏バテの回復が見込めます。また、冷たいものや甘いものを摂り過ぎないように注意しましょう。
タンパク質;体の細胞などの構成成分で、不足すると、免疫の低下、スタミナ不足になります。
(タンパク質の食材;肉、魚、卵、乳製品、豆製品など。)
クエン酸;疲労物質の乳酸を排泄しやすくします。体内のエネルギーを効率よく燃焼させ、疲労回復を早めます。
(クエン酸の食材;レモン、オレンジ、梅干し、酢など。)
ビタミンB1;糖を分解してエネルギーに変える作用があります。アリシンを一緒に取ることで疲労回復に役に立ちます。
(ビタミンB1の食材;豚肉、ゴマ、ウナギ、大豆、カツオ、玄米など。)
(アリシンの食材;ニンニク、玉ねぎ、ネギ、ニラなど。)
ビタミンC;体の抵抗力を高める作用があります。
(ビタミンCの食材;キウィ、ジャガイモ、パプリカなど。)
2)運動
朝夕の涼しい時間に30分くらいの軽い運動をして、汗をかくようにしましょう。
3)水分
水や麦茶、経口補水液などを摂りましょう。
4)睡眠
十分な休息をとり、疲れをため込まないようにしましょう。ぬるめのお風呂にゆっくりつかり、くつろいでから寝るとよいでしょう。
5)環境
扇風機を上手く利用して、クーラーの温度を下げ過ぎないようにしましょう。外気と室内の温度差が5℃以内にすると自律神経の働きに支障をきたしにくくなります。クーラーの設定は25~28℃がお勧めです。