『タミータイム』って聞いたことありますか?
タミーとは英語で「お腹」という意味の単語です。
タミータイムとは、赤ちゃんが起きているときに、大人が見守っているなかで、うつぶせにして過ごさせることを言います。日本では、「うつぶせ遊び」「うつぶせ練習」「腹ばい練習」などと言われています。
乳幼児突然死症候群を予防するために、米国小児学会は、赤ちゃんを仰向けに寝かせることを推奨しました。しかし、そのことによって赤ちゃんが長時間仰向けで寝かせていると、頭の形がゆがんでしまう赤ちゃんが増えました。そこで、赤ちゃんの頭の形がゆがまないようにするためにタミータイムが広く行われるようになりました。
標語:『眠るときはあお向けに、遊ぶときはうつ伏せに』
※赤ちゃんのうつぶせ寝は、SIDS(乳児突然死症候群)のリスクになると言われています。SIDSとは、元気だった赤ちゃんが、睡眠中に突然なくなってしまう病気です。日本では、赤ちゃんの6000~7000人に一人におこると推定され、生後2~6か月の時期に特に多いとされていますが、稀に1歳以上でも起こることがあります。
乳児突然死症候群(SIDS)について(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/sids.html
うつぶせ遊びは、赤ちゃんの発達をうながすのにも効果があるといわれています。ただし、うつぶせのまま目を離したり、そばを離れたり、うつぶせ寝をさせることは、上記のSIDS(乳児突然死症候群)を起こす可能性もあるので、必ず仰向けの姿勢にするようにしましょう。
ここから、うつぶせ遊びの効果と実施する時の注意点を説明いたします。
①筋肉の発達
首や肩の筋肉を発達させる
②発達の促進
運動能力を発達させる
③頭蓋変形の予防
頭蓋変形を予防することができる
④呼吸器の発達
背中が床で圧迫されないため、背中側の肺が広がりやすくなり、呼吸が促され、呼吸器の発達が促されるといわれます。うつぶせ姿勢に慣れている赤ちゃんは、口をきちんと閉じて腹式呼吸を行いやすくなるともいわれています。この『口をきちんと閉じて鼻呼吸をする』というのは、口腔(こうくう)の正しい発達や感染症の予防をはじめ、発達面にも健康面でもとても大事なことといわれています。
✿やわらかい場所ではしない
うつぶせの姿勢では顔が下を向いてしまう場合もあるので、筋力が発達して首を自由に動かせるようになるまでは、たとえ大人が見守っていたとしても危険がともなうことを忘れないようにしましょう。
赤ちゃんがうつぶせになる時は、窒息のリスクを避けるためにも、鼻と口がふさがりやすいやわらかい布団やクッションは遠ざけ、必ず畳や硬いマットの上にしましょう。また、布や枕など、顔が埋まってしまいやすい物を近くに置かないよう注意することも大切です。
✿うつぶせにしたまま目を離さない、1人にしない
万が一を避けるためにも、終始必ず大人が近くで見守るようにしましょう。少しでも目を離さなければならない用事ができたときは、赤ちゃんを安全な場所に仰向けに寝かせてからそばを離れてください。たとえ短時間であっても、決してうつぶせの状態で赤ちゃんから離れることがないよう心がけましょう。
✿そのまま眠らせない
うつぶせの姿勢で眠ることは、窒息や乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高めるので、起きている時にうつぶせで遊ばせていたとしても、眠りそうになったら仰向けに戻してあげましょう。
うつぶせ姿勢にすると、首がすわる前の赤ちゃんでも頭を持ち上げたり横に向けたりしようとします。この運動が、首~背中にかけてや肩甲骨周辺の筋肉の発達や、体を支えるためにバランスをとる感覚にいい影響を与えます。月齢が進み、頭を上げた姿勢を維持できるようになると、うつぶせ姿勢から寝返りをしたり、腕を伸ばして反ったり、はいはいで移動するようにもなります。赤ちゃんが床の上を自由に動き回ることで、バランス感覚をはじめとした必要な能力を獲得していくことになります。赤ちゃんの発達にメリットがいっぱいのうつぶせ姿勢でたくさん遊んであげましょう。くれぐれも、うつぶせのまま目を離したり、そばを離れることはしないでください。
タミータイムの詳しい方法は、海外からの資料になりますが、下記のURL「タミータイムツール 日本語版」をご参照ください。